今年はコロナの影響で、夏祭りや花火大会などの夏のイベントが中止されるところも多いようです。そこでおすすめしたいのが手持ち花火。一風変わった手持ち花火をチョイスすれば、夏の楽しい思い出が増えるはず。
今回、花火の卸問屋「はなびかん」の店主で、花火ソムリエとして『マツコの知らない世界』(TBS系)など、多数のメディアにも出演されている立川靖さんに、おすすめの手持ち花火を選んでもらいました。
花火ソムリエおすすめ1「線香スパーク極」

【線香スパーク極】
価格66円/1本(税込)
一つ目に立川さんが選んだのは、弾ける線香花火「線香スパーク」という種類のなかでも、火花の数・迫力・大きさすべてにおいて最高峰を誇るという『極』という商品です。

「『極』は、大人にこそやっていただきたい手持ち花火です。火は大きいのですが煙は少なく、パチパチととても繊細な音とともに美しい光が浮かび上がります。はらりと落ちる火花がとにかく風流で、音とあわせて癒しの空間を味わうことができます。国産の手持ち花火の良さが凝縮された癒しの手持ち花火と言えるでしょう。
この後に紹介する手持ち花火は、全て国産のものなのですが、国産の花火は圧倒的に発色が良くて鮮やかです。耐久時間も長く、パチパチという柔らかく軽快な音も魅力の一つです。鍛錬された職人たちの技が生み出す花火の素晴らしさを味わっていただきたく、そういう意味でも『極』はおすすめです」(コメントは立川靖さん、以下同)
花火ソムリエおすすめ2「カラフル10」

【カラフル10】
価格110円/1本(税込)
その名のとおり、火をつけると10色に変化してゆくというこの花火。発色の強さが特徴で青色・赤色・黄色・緑色の鮮やかさは特に見ものです。

「炎の色の変化はもちろんですが、最初は小さな星が咲き乱れ、その後に稲妻のように弾け、最後は滝のように火花が流れ落ちます。変化する色・現象ともに楽しめる欲張りな一本です。耐久時間も約90秒と長めなので、みんなで花火を取り囲んで楽しんでみてください」
花火ソムリエおすすめ3「点滅すすき」

【点滅すすき】
価格77円/1本(税込)
3つ目に紹介する「点滅すすき」は、立川さんが個人的に好きな商品の一つとのことで、紹介する熱量も高めです。
「僕は和を感じる手持ち花火が好きなのですが、『点滅ススキ』は手持ち花火の中でも特に、音・炎から和を感じることができます。見所はパチパチという雅な音とともに浮かぶ眩しい点滅の光で、その迫力に驚きます。打ち上げ花火の世界観がこの1本につまっているので、夜空に浮かぶ花火を思い浮かべながら火をつけると、この商品がより一層楽しめると思います」
花火ソムリエおすすめ4「九州炭火」

【九州炭火(5本)】
価格550円(税込)
次に紹介する「九州炭火」は、2019年の「おもちゃ花火コンテスト」の手持ち花火部門で優勝したという実力派。九州の職人が一本一本手作りで作っているとのことで、パッケージもかっこいいです。

「名前のとおり、炭火を楽しむ花火なのですが、炭特有の火のはぜかたがとても風流で音も素晴らしいです。暖かみのあるオレンジ色の和火を見ていると心が癒されます。星形に点滅してはぜる光とともに、流れ落ちていく火花の迫力も必見です」
花火ソムリエおすすめ5「大江戸牡丹」

【大江戸牡丹(10本入り)】
価格660円(税込)
最後に紹介するのは線香花火です。立川さん曰く、線香花火は花火の中でも別世界で語られるものとのこと。そんな中からおすすめの逸品を紹介してもらいました。

「本が一冊出せるほど、線香花火は奥が深いです(笑)。『大江戸牡丹』は、そのなかでも国産の線香花火の知恵と歴史がつまった名作といえるでしょう。
火をつけると、美しい火の玉のつぼみができあがります。このつぼみができあがる様の美しさも見どころで、生命の誕生を感じさせます。そして、しばらくすると名前負けしない大きく見事な光の花が開きます。
パチパチという音とともに手に伝わる振動も心地よく、人生と重ね合わせながら、最後の最後まで線香花火の持つ世界を存分に楽しむことができます」
立川さんから「人生」という驚きのフレーズが出てきましたが、線香花火は、火をつけると火の玉のつぼみが形成されて、パチパチと勢いよくはぜた後に火花が柳のように垂れていき、最後に静かに燃え尽きるという4つの変化を楽しむことができます。
このことから、線香花火は古よりその移り変わりを人生に例えられることが多く、素晴らしい線香花火こそ、世界観が見事に表現されていると立川さんは言います。この夏は、究極の線香花火で夏の夜に様々な思いを巡らせてみるのもいいかもしれませんね。
ここからは、一風変わった手持ち花火の紹介です。
変わり種花火1「水中金魚花火」

【水中金魚花火】
価格165円/1本(税込)
水の中で楽しむことができるおもしろ花火。水の中に出したり入れたりして、その光を楽しんでみてください。不思議な花火に子どもも大人も大喜び間違いなしです。
変わり種花火2「うんち花火」

【うんち花火】
価格220円/一袋(税込)
「へび玉」と聞けば、わかる人も多いのではないでしょうか。子供の間で「うんち花火」という俗称で呼ばれ続けた結果、潔く改名したとのことです。もくもくと黒いすすが出てくる不思議な花火の動きに夢中になりそうです。
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他にもカレーの香りのする花火など、手持ち花火も時代に合わせて進化を遂げています。立川さんのお店「はなびかん」では常時300種類の花火を揃えており、自分のお気に入り花火を探しに、遠くからお足を運ぶお客さんも多くリピート率が高いことでも評判です。
「はなびかん」はネットでも購入可能で、今までは「安くてたくさん入っていればいいや」と、なんとなく量販店でパック買いしていましたが、今年は一本ずつ自分好みの花火を探して自分のお気に入りセットを作ってみようと思います。火が長く発色の良い国産花火は、ゆっくりじっくり一本ずつ楽しめそうです。
【はなびかん】
昭和32年創業。長く楽しめる国産手持ち花火から懐かしのからくり花火まで、「はなびかん」がこだわりぬいた300種類以上の品揃えを誇る。ばら売りのため一本から購入可能。
<文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。
(エディタ(Editor):dutyadmin)