初詣シーズンもだいぶ落ち着いてきましたが、まだこれから行く人もいるかもしれません。今回は秋に香川県にある金刀比羅宮(ことひらぐう)へ一人で行き大変な目にあった女性の体験談を紹介します。金比羅参りを考えている方は参考にしてみてください。
家事や育児、仕事に追われる日常から離れて、家事や育児の合間を縫ってひとり旅をするのが趣味の相原マイカさん(38歳・派遣)。子どもの秋の宿泊行事に合わせてぜひ訪れたかった「こんぴらさん」にお参りしようと香川県に旅行したそうです。
旅行中、トホホな体験をしたのは四国香川県の名刹、金刀比羅宮。本宮まで785段、奥宮までは1365段の急な石階段を登る日本有数の名所です。
「実は階段が大嫌いなんです。ですが、せっかく香川に来たなら訪れてみたいと思いました。昔の人が憧れた観光地、というのも気になりましたし、有名な石段をどこまで登るかは、到着してから決めようと思いました」
訪れたのはあいにくの雨の日でした。なかなかに強く降る雨に、ふだんはお土産屋さんでにぎわっているはずの門前町も、開いているお店はわずか。

「あいにくの雨に、にぎわっているはずのお土産屋さんも開いていない。人もまばら。目の前には急な石の階段がそびえています。あまりに寂しい感じだったのですが、逆にこのまま帰るのが悔しくなって『登ってやる』と急にメラメラ燃え始めてしまったのです」
近くのお土産屋さんで、無料で杖を借してくれるため、杖を借りて階段を登ることにしました。雨なので、左手に傘、右手に杖を持って、急な石段を登り始めました。100段目あたりですでに息が上がっていましたが、あまりに中途半端でやめられないと相原さん。
家事育児の合間を縫ってひとり旅へ
家事や育児、仕事に追われる日常から離れて、家事や育児の合間を縫ってひとり旅をするのが趣味の相原マイカさん(38歳・派遣)。子どもの秋の宿泊行事に合わせてぜひ訪れたかった「こんぴらさん」にお参りしようと香川県に旅行したそうです。
旅行中、トホホな体験をしたのは四国香川県の名刹、金刀比羅宮。本宮まで785段、奥宮までは1365段の急な石階段を登る日本有数の名所です。
「実は階段が大嫌いなんです。ですが、せっかく香川に来たなら訪れてみたいと思いました。昔の人が憧れた観光地、というのも気になりましたし、有名な石段をどこまで登るかは、到着してから決めようと思いました」
当日はあいにくの雨
訪れたのはあいにくの雨の日でした。なかなかに強く降る雨に、ふだんはお土産屋さんでにぎわっているはずの門前町も、開いているお店はわずか。

「あいにくの雨に、にぎわっているはずのお土産屋さんも開いていない。人もまばら。目の前には急な石の階段がそびえています。あまりに寂しい感じだったのですが、逆にこのまま帰るのが悔しくなって『登ってやる』と急にメラメラ燃え始めてしまったのです」
近くのお土産屋さんで、無料で杖を借してくれるため、杖を借りて階段を登ることにしました。雨なので、左手に傘、右手に杖を持って、急な石段を登り始めました。100段目あたりですでに息が上がっていましたが、あまりに中途半端でやめられないと相原さん。
途中で引き下がれないとやる気スイッチオン
「登山家の方が『そこに山があるから登る』というのを聞いたことがありますが、まさにその境地でした。延々と続く石段を、黙々と上ることに、だんだん夢中になってきてしまいました」
足がガクガク、しかも急な上の滑りやすい石の階段をひたすら上って数十分。ふと見上げると、785段目の本宮にたどり着きました。
「ほぼ無心で石段を登っていたので、いきなり現れた本殿を見て『おおお!』と感動しました。昔の人もきっとこうやって感動したのかなと思いました」
ここはどこ? 景色にガッカリ
ですが、山の中腹で、本来なら讃岐平野が一望できるはずの景色が全くと見えなかったそう。
「かなり高い場所まで登っているはずなのに、厚い雲に覆われて、景色は一切見えませんでした。高さも分からないほど景色が何も見えず、疲れもマックスだったので、『ここはどこ? 実はまだ一段も登ってないのでは?』と騙されたような気分になりました」
さらに583段り奥宮へ、景色は?
山の中腹まで785段。奥宮まで行くとなると、あと583段の階段を登らなければなりません。本宮を参拝して帰る人も多い中、ムキになった相原さんは、奥宮を目指します。
「785段も登って、景色も見えず、もうヘトヘト。こんなに疲れる場所は、もう二度と来ないだろうと思ったんです。一生に一度なら、もうあと583段登って奥宮まで見てやろうと思って、登ることにしました」
奥宮に向かっての階段は、さらに急になり、雨もさらに強まり、傘を差してもびしょ濡れ。さすがに足が動かなくなり、途中の東屋で休憩しながら、意地と根性で奥宮を目指します。
「もう太ももが言うことを聞かない、限界!と思いながら登り続けて、やっと奥宮に到着しました。天狗が祀られていると言われる奥宮は雨と霧のせいか、荘厳でした。けれど、ものすごく高いところにいるはずなのに、やっぱり景色は全く見えず…。お店もなく、小さな社殿しかないので、御朱印と、奥宮でしか買えないお守りをいただいて、早々に退散しました」
本当の地獄は“下り”だった!
しかし、登ったらゴールではありません。1385段登ったら、1385段降りなくてはなりません。
「実は、階段って登るよりも降りる方が大変なんです。石の急な階段で、さらに濡れていて滑りやすいんです。滑ったら最後、下までゴロゴロ落ちてしまいそうで。恐る恐る、杖をつきながら、ゆっくりゆっくりと下りました。疲れ切っているうえに、落ちないように夢中で、ほとんど記憶がありません。お土産屋さんが見えたときには、汗だくで放心状態でした」
達成感というより、意地と根性でこんぴら参りを達成した相原さん。
「わたしの一生に一度のこんぴらさん参りは、びしょぬれでトホホな体験になりましたが、こんぴらさんにお参りできたことはよかったし、パワースポットだけあって、荘厳でした。どしゃ降りの中、修行のように階段を登り、こわごわ階段を下りる珍道中も振り返ってみればいい思い出ですが、さすがに階段が辛すぎてもう行きたくありません(笑)」
トホホ体験者からのアドバイス
そんな相原さんから、これからこんぴらさんにお参りする方にアドバイスが。
「天気のいい日は見晴らしがよく、散策にはとてもよいと思います。ただ、デートで若いカップルを見かけましたが、ヒールやロングスカートなどは階段で転ぶ原因になるので要注意。石の階段は本当に急で危ないので、歩きやすい服装で行ってほしいです。それと必ず、お土産屋さんで杖を借りることをおすすめします。途中で借りる場所がないのと、100段目を超えたあたりからすでに杖が支えになったので、必須アイテムです」
―シリーズ「レジャー・アウトドアでゲンナリした話」―
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<文/塩辛いか乃>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
(エディタ(Editor):dutyadmin)