相鉄本線・星川駅~天王町駅間の高架下に整備が進められ、2023年2月から一部エリアが開業している複合商業施設「星天qlay(ホシテンクレイ)」(神奈川県横浜市保土ヶ谷区)。ショップやレストランはもちろん、コワーキングスペースなと、多彩な空間を有しています。
2023年から順次開業「星天qlay」の楽しみ方

星天qlayは、相鉄本線の星川駅~天王町駅間の鉄道高架化により創出された複合施設です。コンセプトは「生きかたを、遊ぶまち」。施設名称の「q」はplayの「p」の1つ先のアルファベットであるとともに、pの反対側を向いた文字。従来の価値観から脱し、まだ見ぬ1つ先の未来、遊びを目指す、という意味が込められています。
「lay(レイ)」は英語で、生み出す、一生懸命取り組むなど、さまざまな意味をもっています。また、同音のクレイ(clay)は英語で「粘土」。水を加えると姿を変え、どんな形にも変化する素材であることから、この星天(=星川・天王町)から、どこまでも自由な創造性が生まれていくように、という意味が込められています。
施設は全長約1.4キロメートルのエリアをA、B、C、D、Eからなる5つのゾーンに分けて開発され、2023年2月に駐車場があるAゾーン、Bゾーン、4月にDゾーンが開業しました。この記事では、ショップ、カフェ・レストランが展開するBゾーン、Dゾーンについて「星天qlay」の楽しみ方とともに紹介します。
1. カフェでゆったりくつろぐ
星天qlayの開発にあたり周辺住民へのアンケートを行った結果、「ゆっくり過ごせるカフェや飲食店があるとうれしい」との声が上がったとのこと。その声を反映し、ゆったりとした空間のカフェ、レストランが出店しています。

Bゾーン1階には、人気の三浦市三崎発祥のドーナツ専門店「ミサキドーナツ」がオープン。星天qlay店にはカフェスペースが設けられており、オリジナリティあふれるドーナツをゆっくりと楽しむことができます。サンドなど同店だけのフードメニューも見逃せません。


Dゾーンには北欧カフェ「ROBERT'S COFFEE(ロバーツコーヒー)」が神奈川初出店。ロバート・パウリグ氏によって創業され、フィンランド国内で最も多くの店舗を展開するコーヒーショップで、日本には埼玉・メッツァビレッジ(ムーミンバレーパーク)、東京・麻布十番に出店しています。

フィンランドで焙煎した直輸入のコーヒー豆を使ったドリップコーヒー、フィンランドのレシピをそのまま再現したシナモンロール、フィンランドで修業したジェラートマスターが作るフレッシュジェラートなど、こだわりのドリンクやスイーツ、フードを提供しています。

大きめのカップに入った、ロバーツコーヒーならではの浅煎りコーヒーを楽しみながら、ゆっくりとした時間を過ごせます。
このほか飲食店は、カフェ「タリーズコーヒー」(Bゾーン2階)、イタリアンレストラン「UNION SEAFOOD CAFE」(Bゾーン1階)があります。


2. こだわりの惣菜やスイーツをテイクアウト
星天qlayでは、こだわりの総菜やスイーツをテイクアウトすることもできます。

スーパー「そうてつローゼン星川駅前店」(Bゾーン1階)は、惣菜コーナーを正面入口側に配置し、ライブ感のあるシースルー厨房を導入するなど既存店とは一線を画したつくりになっているのが特徴です。

おすすめは「親子丼」。同社オリジナルの「元気たまご」と鹿児島県産の鶏肉「赤鶏さつま」を手鍋を使ってふわとろに仕上げています。つゆも、この親子丼のために開発したそうです。

親子丼のほか、鉄板焼きでつくる厚焼き玉子や、お好み焼き、インストアベーカリー「葉山ボンジュール」のバターチキンカレーパンなども好評です。
バターカステラが名物! 発酵バター専門店「HANERU」

神奈川県初出店の発酵バター専門店「HANERU(ハネル)」(Bゾーン1階)は、北海道産発酵バターをふんだんに使用したバターカステラが名物。数量限定のため、1日3回(13:00~、15:00~、17:00~)引換券を配布しています(2023年5月現在の情報)。
丸いカステラが焼き上がり、ぴょんぴょんと跳ねる様子をガラス越しに見るのも楽しい!

3. 日々の暮らしにちょっとした「プラス」を
日々の暮らしをちょっと楽しく、豊かにしてくれるアイテムもそろいます。

Bゾーン2階の「無印良品500」は、無印良品のアイテムの中から500円以下の商品を中心に展開する新業態。同店では3000~3500アイテムを取りそろえており、カトラリー、日用品、消耗品が人気とのこと。季節ごとに変わるディスプレイは日々の暮らしの参考になりそうです。

輸入食品専門店「ジュピター」(Bゾーン1階)は、自社工場で焙煎したアラビカ種100%のコーヒー豆が看板商品。このほか、レトルトカレーやスパイス、ジャムや海外のお菓子など、国内外の珍しい食品が所狭しと並びます。いつもの食卓に変化をプラスしてみては。
4. 新進気鋭のクリエイターと出会う
Dゾーンは住居スペース「YADORESI(ヤドレジ)」がメインとなっています。「YADORESI」は全22室の個室(1R・シャワーブース・トイレ付)と、リビング・キッチン・ランドリールームなどの共有部から構成。

「YADORESI」の個室を出た廊下の先には、外に面した窓付きの小さなスペース「はなれマド」があり、小商いやギャラリー、制作スペースなど、一人ひとりが自由に使い自己表現ができるように設計されています。
「はなれマド」は歩道から誰でも見ることができるので、好きな作品やここから巣立つクリエイターとの出会いの場にもなりそうです。
入居者はまだ募集中(2023年5月現在)ですので、興味あるクリエイターは応募してみては。同じDゾーンの「ROBERT'S COFFEE」とクリエイター向け協働制作スタジオ「PILE」それぞれに住人限定の特典も用意されています。
また、Bゾーン2階のイベントスペース・シェアオフィス「qlaytion gallery(クレイション ギャラリー)」でも、「生き方を、遊ぶ」を感じられるさまざまなテーマのもと、展示やイベントが開催されます。こちらにも立ち寄ってみてください。

Cゾーンは2023年度秋以降、最も天王町駅寄りに位置するEゾーンは2024年度以降の開業予定となっています。「生きかたを、遊ぶまち」というコンセプト通り、遊びゴコロあふれる施設「星天qlay」。今後の展開にも注目です。
執筆者:田辺 紫(横浜ガイド)