セックスレス夫婦を地獄に落とした“夫のひと言”。妻の手が震え、夫は鼻水を垂らした|

時刻(time):2023-05-25 18:29源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
30代男女の禁断の恋愛ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題の作品を、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。 【前回記事】⇒ 不倫を拒んだセックスレス妻が、職場のランチで“思いきり打ちのめされた”ワケ|ドラマ『あなたがしてくれなくても』 すれ違いが絶妙に描かれ、
 30代男女の禁断の恋愛ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題の作品を、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

【前回記事】⇒不倫を拒んだセックスレス妻が、職場のランチで“思いきり打ちのめされた”ワケ|ドラマ『あなたがしてくれなくても』








すれ違いが絶妙に描かれ、ドラマが一気に転換した


『あなたがしてくれなくても』

『あなたがしてくれなくても』第6話より ©フジテレビ(以下同じ)

 夫婦のセックスレスと不倫の恋、そして真実の愛とは何かがテーマになっているドラマ『あなたがしてくれなくても』の第6話。みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)の夫婦それぞれのせつなさと、みちと誠のすれ違いが絶妙に描かれ、ドラマが一気に転換していった。

 特にすごかったのは、裏切りの告白をしたときの永山瑛太と、それを聞かされた奈緒の演技だ

 夫婦で久しぶりに旅行しようとしていた当日の朝、陽一は「旅行にいってもできないかも」とつぶやく。少しずつ話が煮詰まり、「どうしてもできないなら病院に行こう。私も一緒に行くから」と前進しようとする妻。「怖いんだよ、みちだけできないなんて」と心の叫びを言葉にしてしまう夫。どういう意味、と小声になる妻。「一度だけみちを裏切った」とずっと心にわだかまっていたことを口にする夫。





迫真の演技があまりにもせつなくて


 皿を洗いながら、つまりありふれた日常の暮らしの中で、夫は非日常の告白をする。それを聞いたときの奈緒の手が小刻みに震え続け、永山瑛太の感情が流れ出る鼻汁に象徴されていた。


 奈緒は家を走り出るが、靴がうまく履けないまま飛び出し、歩きながら何度も履き直す。その後は放心状態で前のめりになって歩き続ける。本当にショックを受けたとき、おそらく人はこうなるのだろう。やりきれない思いを抱えたまま歩くとき、頭だけが前のめりになり足がついていかない。

 一方の夫はしばらく無意味に皿を洗い続けるが、自分が何をしたかに思いが至り、あわてて家を飛び出すも、もちろん妻の姿はない。手足がバラバラになったような姿勢で左右を見渡す永山瑛太。このふたりの演技は圧巻だった。

 不器用だが、みちを心から愛している自分に、浮気をしたからこそ気づいた陽一。少しずつだが彼は変わろうとしていた。そんなときに浮気を白状せざるを得なくなった。

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感情の行き違い、相手を思うがゆえのすれ違い


 一方の新名夫妻は、妻が夫を大事に思っていたこと、そして夫の気持ちが自分から離れていっていることに気づき、いても立ってもいられなくなっている。

 誠は、なんとかみちを引き止めたいと思い、彼女が旅行をする当日の朝に会おうとメッセージを送る。みちは絶望の淵で、そのメッセージに頼ろうと待ち合わせ場所にやってきたが、誠はみちの幸せを邪魔してはいけないと思い直し、妻の待つ家に戻っていった。


困らせてごめんなさい。本当に同僚に戻ろう

 夫から裏切りを告げられ、誠へのくすぶった恋心が再燃しつつあったみちは、待ち合わせ場所でへたりこんでしまう。

 感情の行き違い、相手を思うがゆえのすれ違いが観ている者の心を揺さぶる。

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浮気を告白されたショックが一生ぬぐい去れない


 たとえ「真実を知りたい」とパートナーが言ったとしても、浮気したと言ってはいけない。それが浮気をしてしまった者に課せられた鉄則なのではないだろうか。

 実際に夫から浮気を告白されたミドリさん(仮名・40歳)は、そのときのショックは一生ぬぐい去れないだろうと言う。

頭を抱える女性

写真はイメージです(以下同じ)

「夫が部署を異動になって忙しくなった。それだけじゃなくて女性のいるクラブなどにも接待やおつきあいで行っているようだということはわかっていました。でもまさか不倫しているとは思わなかった

 8歳になるひとり娘のピアノの発表会を、夫は楽しみにしていた。それなのに夫は来なかったのだ。

「仕事を残してきたからと土曜の午前中に出かけていったんです。娘の発表会は午後からだから、それに間に合うように行くと言っていたのに直前になっても来ない。メッセージを送っても既読にならないし、電話にも出ない。そのまま発表会は終わって、娘とふたりで帰宅しても夫はいない。その晩、遅く帰ってきた夫は酔っていました」












彼女のことは好きで好きでたまらないんだ


 大事なときに連絡もつかず、酔って帰ってくるとはなにごとかとミドリさんは怒った。すると夫は突然、涙ぐんだ。追及の手を緩めずに詰問(きつもん)を続けると、夫はとうとう「ごめん、好きな人ができた」と涙をこぼしたのだ。

「そんなこと言わないでよ、と思わず叫んでしまいました。あのときの夫の涙が忘れられない。娘と私のことは家族として命に替えても大事な存在、なのに彼女のことは好きで好きでたまらないんだと夫は、リビングの床に座り込んで、ひとりごとのように言うんです。たまらなくなった私は深夜に家を飛び出しました」

夜の公園
 飛び出したところで行くあてなどない。近くのコンビニでビールを買い、公園のブランコに座ってひとりでちびちび飲んでいた。飲み終わって携帯を見ると30分しか経っていなかった。ひとりで時間をつぶすのはむずかしいと思った記憶があるという。






妻は胃けいれんを起こして救急搬送


「家に帰ると、夫はリビングの床に座り込んだままでした。30分、姿勢が変わっていなかった。私を見上げて、『ごめん』を繰り返した。泣きたいのはこっちだよと思いました。夫の感情の垂れ流しを押しつけられたという思いでしたね

 それが1年ほど前のできごとだ。告白された1週間後、ミドリさんは胃けいれんを起こして救急搬送された。夫はそんな妻を見て救急車の中で泣いていたという。

 だから変わろうと恋心を断ち切ったのか、あるいは別の理由で彼女との仲が終わったのかはわからないが、それ以来、なぜか早く帰ってくるようになった。週末もほとんど出かけず、食糧の買い出しにもつきあってくれ、料理をすることも増えた。













夫の告白は私の体に刻まれているし、一生忘れない


「好きで好きでたまらない女性がいると私に言ってしまったことで、もしかしたら恋の炎が急に冷めてしまったのかもしれません。夫ははっきり言わないし、私も追及していない。このままなし崩しに家庭生活は続いていくんだと思います。

 ただ、あの告白は今でも昨日のことのように私の体に刻まれているし、一生忘れない。時とともに癒えない傷もあると思うんです。もしそうだったら、いつかは離婚することになるかもしれない。ある種の爆弾を抱えながら日々、生活している。そんな気がします」

リビング
 夫を許すとか許さないとか、そういう次元の話ではないと彼女は言う。

「ただひたすら、あの日々は地獄だったし、私がその地獄の感覚に慣れてきただけのような気がします。そして私に地獄を見せたのは夫。それだけが真実なんですよね」

 裏切ったことを告白すべきかどうかは、賛否両論あるだろう。だが、ミドリさんの話を聞く限りでは、優しい嘘も必要なのではないかという思いは拭えない。

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<文/亀山早苗>
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亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio




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