タイといえば、屋台飯のイメージが強いですが、首都バンコクでは数年前から主要道路沿いでの屋台出店が禁止となり、屋台が激減しました。とはいえ、市場や半分屋台のような店がたくさんあるので、人々はそこまで外食に困っていないというのが現状です。また、バンコク以外の県では屋台に対する規制はありません。
タイ人は自炊しない?

タイのローカル屋台のご飯は1食50バーツ(200円)ほど。インフレで値上がったとはいえ、まだまだ「作るより買った方が安くておいしい」タイ。キッチンがついている物件は、外国人が住むコンドミニアムや、富裕層の中華系タイ人が住む一軒家などだけで、通常タイの物件にはキッチンが付いていませんから、食事は外食が基本となります。
家賃が高い新しめのコンドミニアムには、狭いながらキッチン付きの物件が増えましたが、ごく簡単な作業をする程度で、やはり外食かテイクアウトをする方が多いと思います。
フードコートやキャンティーンも活用

屋台だけでなく、商業施設や病院には大抵フードコートがあり、大規模コンドミニアムやオフィスビルにはキャンティーン(社員食堂)があります。値段はピンキリですが、安いところだと1食20バーツ(80円)なんてことも。
繁華街にも近く、日本人はじめ外国人も多く住むプロンポン駅にあるエムクオーティエなど、高級デパートのフードコートは価格が高いことで知られていますが、それでも1食120バーツ(480円)程度。
観光客だけでなく、周辺のオフィスで働いたり生活したりしているタイ人もよく利用しており、郊外にある人気屋台の出店を誘致するなどして集客力を保っています。

ただし、そんなタイで緊急事態が起きました。新型コロナウイルス感染症が流行し、店内飲食が禁止になってしまったのです。屋台の椅子も撤去され、料理はテイクアウトのみとなりました。
コロナ禍で爆発的に売れた卓上ガスコンロ
店内飲食禁止期間、人々は自宅で食事を用意せねばならず、慌てて卓上ガスコンロを買いに走りました。鍋とセットでスーパーマーケットのイチオシ商品となり、「1家に1台卓上コンロ時代」が到来したのです。

でも、コンロがあっても料理をするわけではなく、インスタントラーメンをゆでたり、テイクアウトやデリバリーの料理を温めたりするだけという人がほとんど。タイスキで有名な、大手外食チェーンMKのデリバリーは、スープと具材が別々になっていて、鍋に投入するだけというお手軽さ。筆者も何度かお世話になりました。

最後に、筆者の同僚が地方で見かけたユニークなタイ飯の現場の写真を共有させてください。

ストリートフードは慣れていないとお腹を壊す可能性が高いので、利用する際はどうぞ気を付けてくださいね。
2006年よりタイ・バンコク在住。2008年から、現地に住む在タイ日本人に向けた情報誌『WOM-Bangkok』を立ち上げ、編集長として現在に至る。グルメ、観光、美容などに関する情報やタイ国内外の観光地、リゾートホテルなどの最新情報を発信中。
執筆者:高岡 朋子(アジアのホテルガイド)