最近なにかと行われるキャッシュレスキャンペーン。PayPayなど民間企業のサービスはもちろんですが、行政もキャッシュレス推進のために還元率の高い大規模なキャンペーンを打つことも多くなりました。
ですが、キャッシュレスに使い慣れていないと、痛い目に遭ってしまうようです。

※写真はイメージです(以下、同じ)
パート仲間から聞いた行政キャッシュレス
吉田さやかさん(45歳・仮名)は、パート先で「かながわPay」のキャンペーンを耳にしたそう。
普段ポイント集めなどが面倒であまり興味がわかない吉田さんだったので、話半分で聞いていました。
するとパート仲間が「吉田さんはかながわPayやってる?」と聞いてきたので、ポイント還元にはあまり興味がないと伝えたところ、普段冷静なパート仲間が前のめりで「かながわPayのすごさ」について熱く語り始めたのです。
「主婦はスーパーでの買い物額が多いですよね。今回のかながわPayは、近所のスーパーやドラッグストアも加盟しているそうなんです。そしてなんといってもポイント還元が10%なので、1万円食材を買えば1000円分のポイントが還元されることになります。パート仲間はあっという間に数千円分のポイントが溜まり、それでちょっといいお肉を買ったりしているとのこと。確かにすぐに数千円溜まるのならやってみようかな、とその場でアプリを入れ、わたしの『かながわPay』生活はスタートしました」
華々しくデビューしたキャッシュレス生活
さっそくその日からスーパーやドラッグストアなどの買い物をすべて「かながわPay」でのキャッシュレス払いに切り替えました。普段持っているポイントカードでは、500円貯めるのにも忘れるほど時間がかかるのに、スーパーで5000円買えばあっという間に500円分のポイントが還元されます。じゃんじゃん溜まるポイントにつられ、少し値の張るものはかながわPay対象店を探して使っていました。
かながわPayは、ポイント還元額がキャンペーン上限予算に達し次第終了となります。なので、できるだけ短期間で集中して使うことが大事。何から何までかながわPayで買い物をし、溜まりゆくポイントにホクホクしていた吉田さん。パート仲間にもよい情報を教えてもらえて大満足だったそうです。
初心者あるあるの罠

「カードの請求額にビックリしました。ポイントを貯めることに夢中になって、必要以上に買い物をしてしまったようです。わが家の生活費は夫から現金で支給されるので、生活用品をカードで買うと、その分を生活費からカード支払分を分けています。ですがスマホ決済は使ったことがなかったので、ポイントを貯めることに必死になり、使った分の金額を避けるのを忘れていました…。」
もともと家計簿などお金周りの管理が苦手な吉田さん。
今月は余裕があるなと思っていたそうなのですが、実はスマホ決済で現金が減らなかっただけで、恐ろしい金額を使ってしまっていたのです。
夫には黙っていたが…
当然、翌月は前月の支払いで大赤字。買い物を控えて、冷蔵庫にある食材を使ってなんとか乗り切ったそうです。
「『なんか最近、おかずしょぼくない?』と夫に聞かれましたが、『つい買い過ぎちゃうから、今月は冷蔵庫にあるものを使い切ろうと思ってるの』とごまかしました。夫は細かい性格で、冷蔵庫で野菜がミイラになっていると小言を言うので、それで納得したようです。かながわPayで使いすぎたなんて言ったら『計画性がない!』と言われるのが分かっていたので隠し通しました」
翌月はかながわPayのキャンペーンが終わっていたので、それ以上使い込まずに済みましたが、お金の管理が苦手な人には危険なキャンペーンだと反省したそうです。
「もう調子に乗ってスマホ決済をするのはやめようと思うのですが、また次のかながわPayが始まってしまい…。今まで対象店でなかったところも加盟し、ついついポイント集めに火がついてしまいます。過去の失敗を繰り返さないように、調子に乗って買いすぎないことと、スマホ決済したらきちんと使った額を分けておくことに注意しています。それでもやっぱり使いすぎちゃうんですよね。経済を回すのには貢献していると思いますが、果たして得なのか損なのかわかりません(笑)」
自治体のスマホ決済キャンペーンは予算が多く、大盤振る舞いで行われることが多いですが、くれぐれもご利用は計画的に。
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<文/塩辛いか乃>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
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